【写真:オープン当時の広告】 ※出典:長泉町商工会『商工会法施行20周年記念 商工会のあゆみ』

はじめに:あなたにとって、マエジムは何屋さん?
「マエジム」と聞いて、何を思い浮かべますか?
今回、長泉クロニクルでは同窓会の会員にアンケートを取ってみました。「マエジムのイメージは?」という質問に対する29名の回答がこちら。
イメージ回答
| イメージ | 回答数 |
|---|---|
| 本屋さん | 14名 |
| 文房具屋さん | 12名 |
| その他 | 3名 |
なんと、本屋派と文房具屋派がほぼ半々という結果に。
「その他」の回答には「パソコンを学びました」「贈答品を買いました」という声も。実は、マエジムは時代によって様々な顔を持っていたんです。
第1話:マエジムって、結局何屋さんだったの?
1984年、下土狩に登場
1982年の住宅地図にはまだ姿がなく、1984年の地図で初めて「ジョイショップマエダ事務器」として登場します。オープンは1983年か1984年の7月頃。当時の広告には、開店を告知する様子が写っています。
商号は「マエダ事務器株式会社」。その名の通り、事務用品・文房具がメインと思いきや大型書店の文字も見えます。
本も、ビデオも、雑貨も
広告の通りマエジムは文房具屋にとどまってはいませんでした。
会員の証言によると:
- 本・雑誌・参考書の販売
- レンタルビデオ(VHSとベータの両方!)
- ワープロ教室・パソコン教室
- 贈答品・雑貨
「長泉の本屋といえばマエジム。大好きな小説や雑誌、参考書はここで買っていました」
「両親の結婚記念日にコーヒーカップを買いました。昔は雑貨屋さんなんて無かった時代。本も売っていましたが、ちょっとした贈答品も売っていました」
「かわいい文房具やおしゃれな雑貨が買えるお店。友達同士で歩いて行けるお店の中では一番素敵なお店でした」
「パソコンを学びました」
時代のニーズに合わせて、いろんなものを扱っていたんですね。だからこそ、人によって「何屋さん」のイメージが違うのかもしれません。
第2話:みんなの思い出
中学生の聖地?
アンケートには、中学時代の思い出がたくさん寄せられました。
「初めてシャープペンを買った」
「当時流行したシャープペンのDr.グリップ、アルファゲル、エアーゲルを集めるために通った記憶が。カンカラの筆箱も買いにいったかな」
「学校で必要なものを買う時は、友だちとマエジムに行きました」
中学時代、シャープペンやカンペンケースはステータス。マエジムは、そんなアイテムを手に入れる場所だったようです。
有名人の目撃談も…?
「よく立ち読みしていた」
という声に混じって、有名人を見かけたという目撃談もありました。御殿場出身の芸能人が、里帰りのついでに立ち寄っていたようです。
第3話:2010年、下土狩から姿を消す
約25年の歴史に幕
2010年の住宅地図を見ると、下土狩のマエジムの姿はもうありません。
1984年から約25年間。長泉の子どもたちの文房具を、本を、そして様々な「欲しいもの」を届けてきたマエジムは、下土狩から姿を消しました。
「ある時期から文房具やキャラクター商品が優勢となって書籍が減ったのが残念だった思い出があるようなないような…しかし文房具も好きなので閉店してしまいとても残念でした」
「職場で必要な文具を買うために寄ると、必ず本屋コーナーに行き雑誌を買っていました。文具を注文して買ったこともあります。お世話になりました!!」
現在、かつてマエジムがあった場所には三島ダイハツがあります。
第4話:下長窪へ、そしてネットの世界へ
移転、そして新たな挑戦
「閉店して残念」…と思いきや、実はマエジムの物語はここで終わりではありませんでした。
下土狩の店舗閉鎖後、マエジムは下長窪に拠点を移しました。
「30代半ば世代は、下土狩のイメージが弱く、下長窪のイメージです」
というアンケートの声もあり、世代によって「マエジム」と聞いて思い浮かべる場所が違うようです。
ネットショップで業界最大級に
1994年に商号を「株式会社マエジム」に変更。そして2006年にはネットショップをスタートしていました。
現在は下長窪を拠点に、手帳専門店として業界最大級の品揃えを誇り、楽天市場やYahoo!ショッピングなど各種ECモールで販売を続けています。
マエジムの公式ショップ
- 直営EC店舗:https://www.maejimu.com/
- 楽天市場:https://www.rakuten.co.jp/maejimu/
- Yahoo!ショッピング:https://store.shopping.yahoo.co.jp/e-maejimu/
下土狩の店舗はなくなっても、マエジムは形を変えて今も続いている。しかも手帳の専門店として全国にお客さんがいる。なんだか嬉しくなりませんか?
マエジムの歴史年表
| 年 | 出来事 |
|---|---|
| 1983-84年頃 | 下土狩にジョイショップマエダ事務器としてオープン |
| 1994年 | 商号を「株式会社マエジム」に変更 |
| 2006年頃 | ネットショップ開始 |
| 2010年頃 | 下土狩の店舗が閉店、下長窪に移転。 |
| 2025年現在 | 下長窪を拠点に、手帳専門店として各種ECモールで販売中 |
あなたの「マエジム」の思い出を教えてください
今回の記事は、会員の皆さんからのアンケート回答と、長泉町商工会の資料、過去の住宅地図などをもとに作成しました。
でも、まだまだ分からないことがたくさんあります。
- 下土狩時代のお店の中はどんな配置だった?
- 店員さんはどんな人だった?
- レンタルビデオ、何を借りた?
- 駐車場によく来ていたという屋台のラーメン、覚えてる?
- 当時の写真、ありませんか?
長泉クロニクルは、あなたの記憶を待っています。
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出典・参考資料
- 長泉町商工会『商工会のあゆみ 商工会法施行20周年記念』(オープン時広告)
- ゼンリン住宅地図(1982年〜2010年)
- 会員の皆さんからのアンケート回答・情報提供
長泉北中学校同窓会「さみどり会」 長泉クロニクル編集部
